OXO誕生秘話

家の中がOXO社の製品で溢れている方も、最近初めてOXO社の製品を購入した方も、「この画期的なアイディアはどうやって生まれたのだろう?」という疑問を抱かれるのではないでしょうか。
その疑問に答えるために、OXOの人気製品の開発プロセスと逸話をいくつかご紹介しましょう。
上記以外のOXO製品の開発秘話は、米国ホームページでご覧ください。(英語)
http://www.oxo.com/oxo/about_howwe.htm
OXO社のはじまり 製品第1弾 「 たて型ピーラー 」

あなたはいつも、どのようにアイディアを実行に移していますか?
OXO社の創業者、サム・ファーバーとスマート・デザインの創業者ダビン・ストゥエルが、抜群に使いやすいピーラー(野菜の皮むき器)を作ろうと思いたったとき、彼らはそれまでのキッチン用品に対する既存概念をすべて捨てて一から始めました。
真夜中にフランスからかけた1本の電話が、OXOという理念の誕生の瞬間でした。すでに引退していたサム・ファーバーは妻のベッツィと南仏でバケーションを楽しんでいるところでした。ある日、ランチのおもてなしにタルトを焼こうと、妻のべッツィはりんごの皮をむいていました。そのときサムは軽い関節炎を煩う彼女が、その作業にとても苦労しているのに気がついたのです。
妻の痛々しい姿が忘れられずその夜すぐに、長年の友人であり有名なデザイン会社スマート・デザインの創業者でもあるダビン・ストゥエルに電話をかけました。そして、毎日使うものなのに本当に使いやすいキッチンツールがない嘆かわしい現状について語り合いました。じゃがいもをむくようなシンプルな作業でさえ、消費者はもっと効率よく使える器具を求めているはずだと、起業精神にあふれる二人は意気投合し、すぐさま発泡スチロールや木の模型など100以上の試作品を作りました。当時発売されていたピーラーの握りにくかったハンドル部分に着目し、あらゆる工具や家庭用品などを研究しました。自然と握りたくなるようなハンドルを目指し、左利きの人、右利きの人、関節炎を患っている人、手の小さい人、指が不自由な人、近所の人たち皆に試作ハンドルを握ってもらいました。
また、当時のピーラーは刃の部分が固定されていたため、りんごの皮をむくにも果物や野菜の角度に合わせて手を動かさなければなりませんでした。ところがOXO社では、刃が動くようにすることで、手に負担をかけずにスムーズに球形の野菜や果物の皮をむくことを可能にしたのです。むける皮の厚さでさえも0.8mmから1mmの間で細かく設定され、野菜の皮の部分だけがきれいにむけるようになっています。その鋭い切れ味を実現するために、初代ピーラーの刃は昔からの刀の技術を有する会社が担当しました。
このようにしてたて型ピーラーは、より多くの人に使ってもらいたいというユニバーサルデザインの理念を実現した製品として、OXO社キッチンツールの第一弾として発表 されたのです。
OXO社のロングセラー商品「サラダスピナー」

OXO社のサラダスピナーはシンプルで使いやすく、ユニバーサルデザインの考えを典型的に具現化した製品の一つです。
初めてこのスピナーを使う人は皆、自然と笑みがこぼれます。大好きなおもちゃで遊んでいた子供時代を思い出すからか、一回押すだけで何回も回転する楽しさからか、勢いよく回るのに安定感が抜群だからか・・・。キッチン用品売り場には、紐を引いたり力を入れて回さないと回転しない製品が多いなか、片手で押すだけの容易さに誰もが驚き、自然と笑顔になるのです。
競合品の調査の準備をしている最中、手巻きタイプや紐をひくタイプのスピナーに違和感を感じていたボブソン・ビジネススクールの院生たちは、おもちゃ屋で面白いものを目にしました。実はサラダスピーナーは、このとき彼らが目にしたおもちゃをヒントにして作られた製品なのです。さらに現在OXOの社長であるアレックス・リーは、デザイン会社であるヒューマン・ファクターズ・インダストリアル・デザインの素質を買い、よりよいスピナーを開発するために彼らと手を組むことにしたのです。
既存品の機能を調べるための大々的なリサーチもしました。それらの替わりとなりうる形や大きさを探求するために、簡単な2Dのスケッチと3Dの大きな実物大の試作品が作られました。あわせて、ユーザーがぱっと見ただけで直感的に使い方がわかるかどうかの点も評価されました。
後に日本人の強い要望から小サイズも誕生し、アメリカでも大ヒットとなりました。
サラダスピナーはOXOを代表するロングセラー製品の一つです。
2004年グッドデザイン ユニバーサルデザイン賞受賞 「アングルドメジャーカップ」

腰をかがめたり、カップを持ち上げて目盛りを見なくてはならない、調理中のわずらわしさを思い出してみてください。
OXO社は毎年消費者、発明家、シェフ、親戚、友人といった様々な人たちから何百もの製品のアイディアをいただいています。1998年に、おもちゃの製品開発に携わるデザイナー2人から提案されたアイディアが私たちの目を引きました。
これまでメジャーカップを使うときは、必要量の液体を注ぎ終わるまでに何回も横の目盛りをチェックし、ちょっと捨て、またチェックして注ぎ足す、といった動作を繰り返していませんでしたか? オハイオ州のシンシナティにあるバンズーム・デザインのおもちゃデザイナーの2人は、真上から目盛りを読むことができるメジャーカップという独創的なアイディアを思いついたのです。彼らは自社で作成した不透明なプラスチックの試作品を手にOXO社を訪れました。
今までにない斬新な視点にOXO社はすぐに着目し、スマート・デザインと組んでこの画期的なアイディアを技術的に追求しました。上から目盛りを読めるというカップの一番の利点が消費者に明らかに伝わることが、何より重要なことでした。そこで開発チームは傾斜をつけた目盛りを内側につけ、その目盛りが読みやすいようにカップを透明にしたのです。現在は4カップ、2カップ、1カップ、ミニサイズのl/4カップを含む4タイプで展開しており、世界各国の消費者のためにそれぞれの国でよく使われている単位を斜めの目盛り部分に記しています。
アングルドメジャーカップはOXOの歴史の中でも最も売れている製品の一つです。アメリカではGood House Keeping Good Buy Award(グッド ハウス キーピング バイ賞) からIDSA Industrial Design Excellence Award(IDSAインダストリアル デザイン エクセレンス賞)まで、さまざまな賞を受賞しています。日本でも2004年にグッドデザイン ユニバーサルデザイン賞を受賞しています。
あなたも斬新なアイディアがふと浮かんだら、私たちと一緒に製品を作りませんか。あなたのひらめきが次のヒット製品になるかもしれません!
日本向けOXO製品
OXO(オクソー)社の製品を日本に紹介するにあたって、まず日本人の料理に欠かせないキッチンツールの開発に取り組みました。OXO社を代表する「GOOD GRIPS」シリーズは、人の手と道具の関係を人間工学的に研究して作られた一連のシリーズです。これをいかに日本版「GOOD GRIPS」に仕上げるか、これが最大のポイントでした。
そこで、多くのシェフや主婦の調理している様子を研究した結果、欧米人と日本人の決定的な違いを見つけたのです。欧米人はキッチンツールを持つ際テニスラケットを持つようにわしづかみにしますが、これに対して日本人はペンを持つように3本の指ではさむ場合が多いことに気がつきました。これは食材の大きさの差からくるもので、肉食中心の欧米のキッチンでは大きく重さのある食材を多く扱うのに比べ、日本の食卓では菜箸で小さく薄めの食材を取り分けたり盛りつけたりします。この食文化の違いからグリップ部分の形状を3本の指でも操作しやすいサイズに調整しました。また味噌汁を作るための味噌こしなど、毎日の料理に欠かせないツールをバリエーションに追加し、同時に食卓を飾るサービングツール(取り分け用)・シリーズも開発されました。
日本版「GOOD GRIPS」シリーズを開発後、さらにOXO社の使命を追及していくために、日本のキッチンに欠かせないものでさらに改善の余地のある製品は何だろう、というリサーチを進めてきました。その結果挙がったのがダイコン グレーター(大根おろし器)と、プレジョン トング(菜箸のようなトング)でした。
「 ダイコン グレーター 」
大根をおろす作業はなぜ嫌がられるのでしょうか。それは力を要する作業にも関わらず、既存の製品に使いにくいものが多いからです。実際リサーチすると、おろし器を固定させたいのに安定しない、力を入れないとおろせない、たくさんおろせない、おろしのキメが粗すぎる、部品が多くて収納に困る、刃が欠けるなど実に様々でした。そこでOXO社は、それらの意見をすべて解消できるような製品の開発に取り組みました。日本独特の文化である“大根をおろす”という作業をよく理解しているのはやはり日本人です。そこでデザイナーの山中俊治氏と手を組み、本当に使いやすい大根おろし器の追求が始まりました。
こうして2年以上の歳月を経てOXOのダイコングレーターは完成しました。本体の淵部分はOXOの特徴であるサントプレーンゴムで包むことで、大根をおろすときに右手でも左手でも自然に調理台に安定させることができるようデザインされています。しかしそれだけではなく、大根おろしの命である「歯」一つ一つの高さ、間隔、形状に至るまでも緻密にデザインされ、0.05mm単位で調整されています。
従来の力で約2倍以上の量の大根をおろすことを可能にしたOXOダイコングレーターは、従来の大根おろしの常識を覆す画期的な製品なのです。
「 プレシジョン トング 」
私たち日本人は小さい頃から箸を使っているため、とても器用ですが、食材によっては形が崩れたり、すべりやすかったり、菜箸ではつかみにくいものもあります。また、すべての人が器用なわけではありませんし、年をとったりして菜箸が使いにくくなることもあります。
そこで菜箸のような細かい動きに対応でき、さまざまな場面で使えるように開発されたのがプレシジョン トングです。
菜箸ではつかみにくかったものもしっかりつかめ、トングの上下を返せば小さなギザギザもあり、どちら側でももやし1本でさえ簡単につかむことができるのです!